川崎市に液化水素の受け入れ設備、扇島に実証地を確保

JFEホールディングスおよび同社100%子会社のJFEスチール(東京都千代田区)と、日本水素エネルギー(東京都港区)は7月25日、「液化水素サプライチェーンの商用化実証」を目的に、川崎市にあるJFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)扇島の敷地約21haを賃貸借することで合意したと発表した。

 日本水素エネルギーは川崎重工業と岩谷産業による合弁企業で、液化水素のグローバルサプライチェーンに関する、調査・企画・運営および投資などを目的に、2021年6月に設立された。「液化水素サプライチェーンの商用化実証」は、日本水素エネルギーが実施する。

 今回の実証は、2021年8月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択された。2030年代の国際水素サプライチェーンの商用運転に向け、大規模な液化水素の海上輸送技術の確立を目指す。

 扇島地区は、日本有数の工業地帯である京浜工業地帯に属し、水素需要のポテンシャルが見込めることから、同実証の液化水素受け入れ地に選択し、土地を所有するJFEスチールと土地賃貸借の予約契約を締結した。JFEスチールは対象地の既存建物を速やかに撤去する。

 その後、日本水素エネルギーは、液化水素の桟橋、荷役設備、貯蔵タンクなどの設備を建設する。水素貯蔵タンクの容量は5万m3の予定。2028年度に設備建設を完了し、2029年度に液化水素運搬船が入港、2030年度に実証が完了し、同年度中に日本国内への水素供給を目指す。

 JFEは、同製鉄所における高炉など上流工程を休止した後の土地活用について、川崎市との間で2021年2月に相互協力に関する協定を、2024年5月に扇島地区先導エリアの整備推進に関する協定を締結した。同実証は扇島の土地利用転換の第一歩となり、川崎市と連携して道路・交通アクセスや液化水素運搬船の受け入れ環境の整備を進める。

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