武田薬品、「貨物帆船」で医薬品を輸送、仏企業と提携

武田薬品工業と、仏VELA Transport(ベラトランスポート)は9月19日、欧州と米国間の医薬品輸送に関する事業提携を発表した。同社は、風力で航行し大西洋を横断できる貨物帆船の開発に取り組むスタートアップ企業。

 VELA Transportが開発する貨物三胴帆船は100%風力で航行し、エンジンの稼働は、着岸時など最小限の利用に留めるという。平均速度14ノットで12〜15日で大西洋を横断できる能力を持つ。輸送に伴うCO2排出量を航空輸送に比べて最大99%、コンテナ船と比べて最大90%削減するという。

 船体サイズは全長220フィート(65m)×全幅82フィート(25m)×全高171フィート(52.2m)でマスト2本を備える。積載量は600ユーロパレット(または500米国パレット)、医薬品基準に準拠する温度管理倉庫を備え、2〜8℃・15〜25℃に保つという。

 武田薬品は、貨物三胴帆船を活用して欧州と米国間で自社の医薬品を輸送する初のバイオ製薬企業になるという。初航海は2026年後半の予定。2028年までに三胴船を5隻に拡充し、年間4万8000tの貨物輸送を計画する。

 武田薬品は、2040年までにサプライチェーン全体でCO2排出量ネットゼロを目標に掲げている。今回の事業提携は、スコープ3(バリューチェーンによる間接排出)への対応を加速する上で重要な取り組みになるという。

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