関電の水素混焼発電、30分単位で「水素」をトラッキング

関西電力、BIPROGY(ビプロジー)、川崎重工業は8月19日、兵庫県姫路市にある天然ガス火力発電所「姫路第二発電所」の水素混焼発電において、水素製造から電力供給までの一連のプロセスにおけるCO2排出量を算定し、水素をトラッキング(追跡・記録)して環境価値を管理する実証を8月22日から開始すると発表した。

 同発電所内に設置した水電解装置で製造した低炭素水素に加えて、福井県で製造された原子力由来の低炭素水素、山梨県で製造された再生可能エネルギー由来のグリーン水素に対して、個別に30分単位でCO2排出量の算定と水素のトラッキングを行う。水素混焼で発電された電力が、低炭素水素やグリーン水素由来であることの識別が可能かを検証する。

 また、第三者認証機関DNVの支援を受けて、トラッキング方法が国際規格に合った方法であることを検証する。実証で得られる情報を一元管理する「トレーサビリティ情報基盤」、使用された水素の由来特定、水素混焼比率を算出する「電力トラッキング」を担う環境価値管理プラットフォームは、関西電力とBIPROGYが共同開発し、 BIPROGYが運用する。CO2排出量・炭素集約度管理と水素トレーサビリティ管理を行う水素プラットフォームは、川崎重工が運用する。

 同発電所は、カナデビア製のPEM(固体高分子)型水電解装置3基を導入し、水を電気分解して水素を製造している。電解に必要な電気は、TMEIC(ティーマイク)製のIGBT方式整流器が商用系統の交流を直流に変換している。水素は、既設の出力486.5MWの大型ガスタービン発電設備に混焼している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択され、2024年度の設計・製作フェーズを経て、2025年度から実証フェーズに取り組んでいる。6月に目標としていた混焼率30%の水素混焼発電を達成したと発表した。
 

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