洋上風力、2040年に「浮体式で15GW」、政府が数値目標

    経済産業省は、8月26日に開催された有識者会議(洋上風力促進ワーキンググループ)において、「洋上風力産業ビジョン(第2次)」について報告した。

 同ビジョンは、再エネ海域利用法や洋上風力産業ビジョン(第1次)により着床式洋上風力発電の産業基盤構造が一定程度進展したことを受けたもの。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンに基づき、浮体式洋上風力発電などに関する産業戦略を取りまとめた。

 世界的なインフレなどへの対応・魅力的な国内市場の創出では、公募の公平性を損なわないことを前提に、さらなる制度のあり方を検討する。

 新たな政府目標として、「2040年までに15GW以上の浮体式洋上風力案件の形成」「2029年度中を目途に大規模浮体式洋上風力案件の形成」を掲げた。また、産業界の目標として、インフレなどによる費用増大を踏まえた着床式発電コスト目標として掲げた、「2035年まで8〜9円/kWh」を早々に見直すことを挙げた。

 産業・技術基盤の充実では、風車ナセルまたはブレード(羽根)の国内製造・供給力強化を目指す。産業界の目標として、「2040年までの国内調達比率65%以上」「洋上風力関連人材を約4万人育成・確保」を掲げた。また、官民の目標として、2040年の案件形成目標に向けて、大規模浮体式洋上風力の施工・O&M(運営・保守)機能の確保を挙げた。

 グローバル市場への展開では、グローバル風車メーカーとの官民協力の枠組みを通じて、グローバルサプライヤーの創出や風車主要製品の国内製造拠点の形成を推進する。官民の目標として、「2040年までに国内発電事業者全体で30GWの海外案件への関与」を目指す。また、産業界の目標としては、「2030年までに欧州・アジア太平洋など10カ国・地域との連携」を挙げた。

 洋上風力については、すでに第1次ビジョンで、着床式と浮体式を合わせて「2030年までに10GW、2040年までには30G~45GWの案件を形成する」との数値目標を示し、産業界の自主目標として「2040年まで国内調達比率60%」を掲げていた。第2次ビジョンにより、「2040年までに30G~45GW」のうち、少なくとも15GWを浮体式が占めることが示された。

 国内調達比率については、2024年1月に稼働した「石狩湾新港洋上風力発電所」が、基礎や蓄電池システムを国産化したことですでに60%を達成したことから、「65%以上」に引き上げ、風車本体の主要部品でも国内での製造を進める方針だ。
 

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