NTNは、風力発電設備の主軸などに使われる超大型軸受の国内生産体制を再編すると発表した。同社100%子会社であるNTN宝達志水製作所(石川県宝達志水町)の生産機能を、三重県桑名市にある桑名製作所へ集約する。
同社は、これまで桑名製作所およびNTN宝達志水製作所において超大型軸受を生産・供給してきた。しかし、中国風力発電設備メーカーのシェア拡大や中国政府による軸受の自国調達方針により中国向け需要がなくなったことから、効率的な生産を通じて競争優位性を維持・向上するために生産体制を再編する。
NTN宝達志水製作所の生産機能を段階的に移管し、今後は桑名製作所でグローバル市場の需要に対応する。生産移管の完了に伴いNTN宝達志水製作所は、2026年春頃をめどに閉鎖する予定。これにより国内における超大型軸受の生産能力は3割程度低下する見込み。
同社は、2024年度から中期経営計画「DRIVE NTN 100」Finalにおいて、持続的な事業成長と収益性向上を目的に、サプライチェーン再構築や生産拠点再編などの事業構造改革に取り組んでいる。今回の超大型軸受の生産再編もその一環で、年間数億円規模の比例費および固定費削減効果を見込んでいる。