TMEIC、三菱重工に整流器を納入、SOEC方式の水素製造装置向け

TMEICは6月13日、三菱重工業が開発・実証しているSOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell=固体酸化物型水電解セル)方式の水素製造装置向けに整流器を納入したと発表した。

 整流器は、交流電流を直流に変換する装置で、水電解に必要な高品質の直流を安定的に供給する。TMEICは高調波を発生させない自励式による次世代型の整流器を開発済みで今回、採用された(関連記事:「カーボンニュートラルで省エネ、電化、水素にも商機」、TMEIC・川口社長に聞く)。

 三菱重工は兵庫県高砂市にある高砂製作所内に、次世代の水素利用技術を実証する「高砂水素パーク」を整備しており、複数の水素製造技術を実証している。その1つがSOEC方式で、SOFC(固体酸化物型燃料電池)の技術を応用し、高温水蒸気を触媒の働きも利用しつつ水素と酸素に電気分解する。その際に安定的な直流電流が必要になる。

 納入した整流器は高効率・高品質が特徴で、具体的には、整流器単体の変換効率が 96.0%以上、直流電流リップル(直流電流に含まれている脈動の成分)が2%以下を達成しているという。また、自励式整流器は高調波を発生させず、高力率(約99%)で運転できる特徴から、電源系統への影響が低減されるという。 

 TMEICは、2023年に同じく三菱重工の高砂水素パーク内で運用されている、世界最大級の水素製造能力(1100Nm3/h)を持つアルカリ水電解装置用の 5MW 級整流器を納入した実績がある(関連記事:三菱重工の「高砂水素パーク」が稼働、TMEICが整流器を納入)。

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