JFEエンジニアリング(東京都千代田区)、中部電力、東邦ガス、東京センチュリーが共同出資する田原バイオマスパワー(愛知県田原市)は、田原市に木質専焼のバイオマス発電所「田原バイオマス発電所」を建設し、9月1日から営業運転を開始した。
発電出力は112MW、年間発電量は一般家庭約25万世帯分に相当する約7.7億kWhの見込み。燃料は東南アジア産の木質ペレットを用いる。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)に基づき中部電力パワーグリッドに売電する。買取価格は24円/kWh、買取期間は19年間。
フィンランドのバルメット製循環流動層(CFB)ボイラーと独シーメンス製の発電設備とタービンを採用した。EPC(設計・調達・施工)サービスはJFEエンジニアリングが担当した。
事業主体の田原バイオマスパワーは、JFEエンジニアリングが40%、中部電力が40%、東邦ガスが10%、東京センチュリーが10%を出資する。また、みずほ銀行と日本政策投資銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスによる融資を受けた。
田原市の臨海工業地域では、大規模な木質バイオマス発電所が集積している。2024年11月には出力75MWの「愛知田原バイオマス発電所」が稼働した。丸紅クリーンパワーが37.5%、エネウィルが37.5%、大阪ガスが25%を出資した。
また、2025年4月には、出力50MWの「田原バイオマス発電所」が稼働した。石油資源開発(JAPEX)が39.9%、静岡ガス&パワーが20.0%、東京エネシスが20.0%、川崎近海汽船が7.0%、第一実業が6.0%、岩谷産業が5.0%、EFインベストメントが2.0%、Solariant Capital(ソラリアント・キャピタル)が0.1%を出資した。
このほか、出力50MWの「田原グリーンバイオマス発電所」が現在建設中で、2025年度中に運転を開始する予定。これには、伊藤忠商事が40%、九電みらいエナジーが40%、東急不動産が20%を出資する。
田原市の臨海工業地域には、バイオマス発電以外にも、太陽光が合計約160MW、風力が約38MWが稼働しており、その1つには、自家消費型太陽光では、国内最大となる出力15MWの「とうてつ たはら ルーフソーラー発電所」が東京製鐵の田原工場内にある(関連記事:東京製鐵・田原工場、「脱炭素」に向け太陽光を倍増)。